ブロックチェーンで国内有数の先進的IT企業 ~ブロックチェーンで世界に向けた事業を~
株式会社INDETAIL 代表取締役 坪井 大輔 様
本日は、株式会社INDETAIL代表取締役の坪井社長にお話を伺いました。
太田:IT企業のインディテール様ですが、具体的にはどのような事業をされているのでしょうか。
坪井:弊社は2019年でちょうど10周年になりまして、社員は160人、そのうち85%がシステムエンジニアで、ソフトウェアの開発をメインの事業として行っております。従業員の平均年齢は32~33歳で、外国籍の従業員も多く、現在8カ国の従業員が在籍しています。ブロックチェーンを使用した事業の開発に力を入れていて、ソーシャルゲームの運営なども行っています。ブロックチェーンについては、道内ではトップ、国内でも上位に入るレベル感で事業を行っておりまして、ブロックチェーンをテーマとした講演業も年に30本程度行っています。あとは起業をテーマとした講演も行っていたり、IT関連の書籍を2冊出させていただいたりしています。
太田:創業10年ということですが、その前は何をされていたのですか。
坪井:私は現在41歳ですが、10年前までは人材派遣業の会社で働いていました。東京本社の会社で札幌支社長を務めていました。起業のきっかけとしては、もともと科学大学出身で理科系の脳を持っていたこともあり、IT分野の関心が強かったのはありますね。人材ビジネスは人材の登録制で、在籍している人材の強みを出すのが難しかったりしますからね。自分で業をなすことを考えたときに、もともと関心のあったIT分野に決めました。
太田:起業当初のお話を伺ってもよろしいですか。
坪井:最初は6名でスタートして、ある会社のまがりから始めました。ちょうど10年前はスマートフォンが世の中に出始めたころで、アプリを制作できる会社がなかったんですね。道内では初めて我々がスマホアプリの制作を開始して、会社は成長しました。あとはECサイトの事業も立ち上げていて、今でいうメルカリに似た事業として「モアモール」という事業を行っていました。ただ、メルカリの台頭によって戦うのを止めて、事業は売却いたしましたね。その後ブロックチェーンの投資を開始しました。
太田:仮想通貨やブロックチェーンとはいったい何なのでしょうか?まず、資産形成という観点では仮想通貨はどのような見方を持つとよいのでしょうか。
坪井:まず仮想通貨についてですが、仮想通貨と一口に言ってもさまざまな種類があります。それぞれのコインでルールが違ったり発行数も違います。例えばビットコインは発行数が限られています。限られているから貴重で価値が上がるモデルなんですね。2147年をラストとして発行が止まります。その後暴落するんですね。だから仕組上は右肩上がりになるモデルになっています。ただ、需給のバランスや、半数以上が出始め当初安かったときのビットコインを多く買っていた人の保有で占められているという現状がありますので、値動きは読めません。一人の大株主が株を売却すると暴落するのと同じ、なおかつビットコインの保有者は公開されていません。ビットコインは本質的な価値ではなくて、ビットコインを保有・売却するといったマーケティング的なコントロールで上下するので、結論は読めません。
太田:今後このような仮想通貨に現代の通貨は入れ替わっていくのでしょうか。
坪井:お金の歴史を含めて考えると、リアルマネーはなくならないでしょうね。イメージとしては通貨として価値がついていないものに価値がつくようになるイメージです。例えば有名人との握手だったり、ありがとうの気持ちだったりですね。仮想通貨によって価値がなかったものを定量化しやすくなり、実際にお金の価値がついていないものが仮想通貨になっていきます。この25年でインターネットの世界とリアルな世界がストレスなく融合されてきたように、第三の世界が仮想の世界です。仮想の世界というのはVRだったり仮想通貨だったりですね。ここに経済圏をつくろうとしています。この第三の世界に「置き換わる」のではなく「融合されていく」というイメージです。だからリアルマネーはなくならなくて、ある一定のコミュニティの中に独自の資産が生まれる形になると思われます。
太田:とても分かりやすくご説明いただきありがとうございます。ブロックチェーンとは何なのでしょうか。
坪井:ブロックチェーンは仮想通貨を実現させる技術です。ビットコインを目的だとするとブロックチェーンは手段です。アマゾンで買い物をする目的のために、インターネットという技術があるのと同じですね。ブロックチェーンはテクノロジーです。最大の特徴は「分散型」ですね。今の世の中は中央集権になっています。例えばマネーでいえば、銀行口座にみんながお金を預金していて、そこから振り込んだり入金されたりしていますね。ネットの世界でいえばアマゾンやグーグルといったプラットフォーマーに大量のデータが集まっています。ビットコインにはそういった運営元がありません。通貨でいえば、日銀や銀行がないのと同じです。その代わりビットコインを所有する各自がそれぞれを管理し合っているわけですね。メルカリの個人間取引をイメージしていただけるとよいかと思います。リサイクルショップに物を売って、誰かがそれを買っていたのが直接個人間の取引になっているわけですね。ブロックチェーンは直接的な取引において、例えば個人情報の管理や台帳といったものが、過去のものにまで追跡できる形で整備されることを可能にした技術です。
太田:ありがとうございます。企業がIT化していくために重要なことはなんでしょうか。
坪井:まずは目的を絞ることが大切です。企業のどの部分をIT化したいのかですね。クライアント探しなのか、商品の宣伝なのか、はたまた社内業務なのか。そこから目的に応じて既存のサービスが使えればそれを使って対応することが可能ですし、よりオーダーメイドなものが必要とされる場合はシステムの構築になります。
太田:最後に今後の展望について伺えると幸いです。
坪井:よりブロックチェーンに集中的に投資していきたいと考えています。現在のソフトウェアの開発事業を売却して、従業員数も10分の1程度に減らします。そしてブロックチェーンを使った新しいサービスの開発と投資を行って、国内外を問わずに世界に向けて発信していきたいと思っています。
太田:坪井社長、本日は貴重なお話を誠にありがとうございました。
坪井:ありがとうございました。