お客様に寄り添い歩み続ける建築設計事務所 ~100%紹介の知る人ぞ知る建築士~

株式会社アユミ建築設計 代表取締役 伊東 祐一 様

お客様に寄り添い歩み続ける建築設計事務所
~100%紹介の知る人ぞ知る建築士~

 

 

本日は、建築設計事務所を経営されている株式会社アユミ建築設計、代表取締役の伊東社長にお話を伺いました。

 

太田:独立のきっかけを伺ってもよろしいでしょうか。

 

伊東:今年が4期目となりますが、それまで3社で設計の仕事をしてきました。建築には小学校4年生から興味があって、それからずっと一本で生きてきました。独立してやっとスタートラインに立ったなという感じです。やりたいことがすぐにわかって、他に目もくらまなかったのは非常にありがたかったなと思っています。

 

太田:建築に興味を持たれたきっかけはあったのでしょうか。

 

伊東:家に送られてくる住宅のチラシに記載されている間取りに興味を持ったんです。方眼紙に写したりして遊んでいました。

 

太田:会社時代のお話を伺ってもよろしいでしょうか。

 

伊東:同じ設計といっても3社で全くジャンルが違っていましたね。小さい設計事務所から大手のハウスメーカーにも在席しておりましたので、デザインやクライアントとの接し方もさまざまでした。今の会社名の「アユミ」は「お客様と一緒に歩いていく」という意味です。お客様の横に立って一緒に前を向いて歩いていきたい、といった想いを込めています。会社時代の18年間は、お客様に対するスタンスもさまざまでしたが、そのなかで私が構築したいお客様との関係性は「アユミ」なんだということが定まってきました。

 

太田:建築の仕事について詳しく伺ってもよろしいですか。

 

伊東:何もないところからお客様の要望を聞きながら、一緒に建物をつくっていきます。今は土地探しから一緒にやる場合もありますね。改築のご要望があったお客様がいろいろと話を伺うと新築の方がよい場合もあったりするし、建て替えのご要望があったお客様が改築の方になったりとさまざまです。仕事のスタンスとしては、「ただお客様の言われたとおりにする」ということはしません。あくまで「自分はこう思う」ということを伝えます。

 

太田:お客様はどういった方が多いのでしょうか。

 

伊東:顧客はほとんど法人ですね。一般住宅は知人しか手掛けていません。病院のように専門的な建物をメインに手掛けています。経営者からのご相談が多くて、今のところ100%紹介と指名で受注しています。広告はしていないですね。10年ぶりの知人から紹介をいただくといったこともあります。

 

太田:だいたい1件あたりどれくらいの期間がかかるのでしょうか。

 

伊東:基本的に1年ほどかかります。短くて数カ月、長くて2年ぐらいかかりますね。その期間にお客様のご要望や意見も変化していきます。最初は漠然としたお客様のイメージを徹底的にヒアリングするところから始まります。要望を言葉にするのは非常に難しいので、言葉をうのみにせずに、3Dで見てもらったりして視覚的に納得していただくようにしています。できあがってから「なんか違う」は絶対にしたくないので、お客様が心底わかりきった状態で完成するように心がけていますね。

 

太田:一度言ったことが変化することもあるんですね。

 

伊東:一度言ったことが変わってもいいと私は思っています。一緒に変化していければいいので。その人の人生を歩むことはできないけど、人生に寄り添うことはできます。一緒に寄り添いながら、変化しながら、歩んでいくことが私は大切だと思っています。たまにお客様と考えが合わないときもありますが、まずは正しいと思えるようにしっかり考えていきます。

 

 

 

太田:お一人でやられていると仕事の量は大変ではないですか?

 

伊東:今は会社時代の元部下である主婦の方に作業を手伝っていただいたりしています。決まった量を決まった金額で一定の期間でやっていただくように依頼していますね。もともと腕のある方なので、家庭の時間と照らして好きなときにやっていただけるようにしています。ゆくゆくはこういったスキルのある方で、家庭の都合でフルタイムとして働けないような建築関係の方に、フリーランスとして登録していただけるような形ができればいいなと思っています。依頼する仕事の内容は、プランではなく、面積計算などのある種型が決まった作業的なものです。大事な部分は自分がやって、作業的なところを依頼することで業務量を調整しています。

 

太田:今後の展望を伺ってもよろしいでしょうか。

 

伊東:組織的な大きな会社にする必要はないと思っていますけど、体制は整えたいなと思っています。自分の年齢が上がると体力も下がるし、仕事の質も変わってしまいますよね。40代にできることと50代にできることは違うと思っています。さらに自分が持っているものを若い世代に教えていけたらいいなと思っています。それは私が社会で出会ったいろいろな方に教わってきた感謝が大きいです。それを誰かに教えて還元していきたい。現場にはずっと立っていたいので、70歳になってもこの仕事は続けていたいですね。

 

太田:今後何かやりたい仕事などはありますか。

 

伊東:古い建物のリノベーションに力を入れています。私は20年前の建築物を知っていて、20年後には40年前の建築物を知っていることになります。新築よりすごく手間がかかったり、世の中で確立されていないところがあるので経営的にみると効率的な仕事ではないですが、10年後20年後のために経験値と実績を増やしていきたいです。できるとすごく楽しいしお客様と喜びを分かち合えて、やってよかったと思える仕事ですね。他があまり受けたがらない依頼や大手では扱いづらい依頼も積極的にやっています。そうすることで自分の専門性も広がって、自分がお客様にできることが増えていきます。今後も自分のスキルを高めながら、お客様に寄り添っていけたらいいなと思います。

 

太田:伊東社長、本日は貴重なお話誠にありがとうございました。

 

伊東:ありがとうございました。