生きがいをもたらす励ましの介護へ ~理念経営が導く本当の自立支援~
株式会社ファミリーケアサポート 代表取締役 田中 卓 様
本日は、札幌市中央区でリハビリ特化型デイサービスをはじめ各種介護事業を経営されている株式会社ファミリーケアサポート、代表取締役の田中社長にお話を伺いました。
太田: とても素晴らしい経営理念をされていますね。
田中:ありがとうございます。私たちは「理念」を「クレド」という表現で大切にしています。スタッフは現在約100名おりますが、すべてのスタッフが『私たちは、「感謝」と「感動」にあふれ、私たちと皆様が、幸せになれる未来を拓きます。』とクレドを毎朝唱和しています。
太田:理念は創業当時から変わっていないのでしょうか。
田中:現在の理念は私が経営者になった平成21年からつくりました。私は2代目で、もとは先代が介護事業だけでなくいろいろな事業を手掛けていましたが、平成12年に創業してからは介護事業だけをおこなっています。
太田:もともと事業を継承される予定だったのでしょうか。
田中:私はもともと東京のIT企業でサラリーマンをやっておりまして、後を継ぐ予定はございませんでした。継承を決断したきっかけとしては「人とリアルに接して仕事がしたい」という思いからです。当時の会社ではスケールの大きな仕事はございましたが、仕事をしていてもリアルな「ありがとう」をどうしても感じられませんでした。両親が介護の現場で直接的な「ありがとう」を感じながら仕事をしているのを見ていて、すばらしいなと感じていたのでこちらの道を選びました。
太田:現在では利用者様が100名以上と大変盛況ですが、こちらはどのようなデイサービスなのでしょうか。
田中:いわゆるリハビリ特化型のデイサービスですが、弊社は「身体を動かすこと」が目的ではありません。あくまで「目的」のために「身体を動かす」。高齢者の方が生きがいや楽しみを感じられることを目的として身体を動かす、というスタンスで事業をおこなっています。趣味をもう一度できるようになったり、歩けるようになったり。目的の大小は人それぞれですが、過剰介護はせず、あくまでご自身でできるようにするための自立支援を心掛けています。
太田:スタッフ様も100名以上おられるとのことですが、採用についてはどのようにされているのでしょうか。
田中:介護業界だけではないと思いますが、人材不足はやはり感じますね。ただ弊社はその対策として出来るだけ多様な働き方に対応にしています。もちろん年齢も20代~70代までさまざまですし、ワークライフバランスに配慮しています。残業は原則せず如何に生産性を高めて定時に帰宅するかが大事です。現在は正社員とパートの比率がちょうど50%ぐらいになっていますね。基本的に採用では「クレド」への共感を基準にしています。
太田:人材育成についても伺えますか。
田中:弊社の人材育成は大きく2つの柱で成り立っています。1つは「専門性」、もう一つは「人間力」です。人材育成部門を組織的につくっていたりもしますが、これら2つを中心として育成の計画をおこなっています。専門性とは医療スキル・介護スキルのことですが、私たちは専門職なので、スキル面についてはしっかり育成しています。もう一つが人間力で、これは挨拶から始まり問題解決能力など、多岐にわたります。年に1度全体集合研修がございますが、そちらでは『7つの習慣』をはじめ『コーチング』、『アサーティブ・コミュニケーション』『マインドマップ』の研修をおこなったり、知致という人間学を学ぶ本を読み感想文を共有する『社内木鶏会』や、強みを活かす組織活性化として『ストレングスファインダー』を取り入れたりしています。
太田:素晴らしいですね。最後に今後の展望を伺ってもよろしいでしょうか。
田中:介護・福祉に関わらずクレドを実現できるような事業を横展開していきたいと思っています。もちろん弊社の強みは介護・福祉なので、メインはしっかりとこちらの事業に置くのは変わりません。ただ、より高齢者の方に社会への帰属感や自己高揚感を感じていただけるような取り組みを増やしていきたいなと考えています。たとえば、施設の運営にしても、利用者の方がさまざまな仕事を担当し合って、役割を持って働けるような場にしていきたいなと思っています。
太田:本日は貴重なお話を誠にありがとうございました。
田中:ありがとうございました。
【編集後記】
田中社長は笑顔が素敵で、理念通りの経営をされていました。
通われている方が、とても生き生きとしており、
社長の言っていた、高齢者が夢や目的をもって・・・
というところだと思いました。デイサービス選びも大切です!